かみむすび(33)透明な水

私は息を止めて透明な水に沈んでいく。

ゆっくりと誰も気づかない速度で。

やがて光が薄れて、水面の太陽さえ小さな影になる。

水の冷たさも遠くなり、私は水とひとつになる。


そのとたんに、私は境界を失い、無限に広がっていった。

私は自分が誰だったかを忘れて、新しい自分に転写される。

あらゆる水の記憶が私に流れ込んできて、それが歓喜を呼び起こす。

記憶はひとつの場所で止まって、それが私だと気づいた。


小さな魚が寄ってきて、目を丸くして私に尋ねた。

あなたはいったい誰なのですか。

私は透明な水だったので、黙って小さな魚を見つめることしかできなかった。

やがてその魚はぷいっと後ろを向いて離れていった。


私はゆっくりと水面へと浮かんでいった。

太陽の光が眩しく、水面はその光で美しく揺らめいていた。

私の中から透明な水が流れ出て、残ったものが形になった。

私は水面に浮かんで大きく息をした。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。