最後の教えはあの夜に語られた(12)
そこにいる自分を感じてなかったのだ。
そこが闇なのか光なのかしか考えなかった。
女王は言っていた、それは変化しないのだと。
「在る」は世界の摂理から何の影響も受けない。
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闇の世界に光が差し込んできて明るくなってきた。
世界は光の世界に変わっていった。
私はそこに現れた美しい世界を目の当たりにした。
そして、すぐに魅了されてしまった。
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私は光の世界しか見えなくなった。
私は世界の中に美しさや驚きを見つけようとした。
それは見つけようとすれば、そこに現れた。
私は世界の美しさを手に入れて満たされた。
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私はもっと満たされるために、私は世界の美しさを探した。
それを見つけるために、もっと光を望んだ。
しかし、光は徐々に薄れて、闇が美しい世界を飲み込んでいった。
そしてまた、あの闇の世界が訪れた。
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私は美しい世界を隠してしまう闇を疎ましく思った。
闇は私の思いを踏みにじる邪悪な存在だとさえ思えてきた。
闇の中では光の世界の幻想が舞い踊っている。
それは光の世界の美しい記憶であり、現実ではなかった。
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私は光の世界の現実を求めた。
そのため、それを邪魔する闇を消すことが私の望みになった。
私は狂ったように光を求めたのだ。
光こそが私を救い満たしてくれるものだと思った。
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何かがそんな私を引き戻そうとしていた。
私は後ろを振り返ったが、誰もいなかった。
気のせいかと思ったが、それでもしきりに引き戻そうとする。
その感覚を振り払おうとしたが、そこに不思議な温かさを感じた。
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