破壊神は我々の世界で優雅に踊る(10)

そこから見る世界は異様だった。

その形や色は美しいものではあるのだが、まるでもぬけの殻のようなのだ。

世界がそんなだからか、人々はみな病気であるかのように顔色が悪く、木々や花たちも力なく天を仰いでいた。

空気は重く淀んでいて、空の青もくすんで灰色がかっていた。

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それでも、そこに生きている人間たちはこの世界を美しいと思っているようだった。

そして愚かにもその異様な世界を広げようとさえしていたのだ。

こんなことをしている人間とはいったい何者なのか。

私はその人間のことが知りたくなった。

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私は人間の心の中を覗いてみた。

そこは様々なエネルギーの流れが渦巻いていた。

思考、想像、感情、記憶が暗い心の中を光の瞬きのように現れたり消えたりしていた。

だが、どこにもその人間自身がいなかった。

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人間自身が不在なため、エネルギーは好き勝手な振る舞いをしていた。

愛と憎しみが取っ組み合いの喧嘩をしている。

思考がただ意味のないことをブツブツと話し続けている。

現実ではない想像を生み出しては、心の壁に苦しみや悲しみの泥を塗りたくっている。

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それは混乱とカオスであり、そこにいるだけで、まともではいられなくなる気がした。

そして実際に人間はそんな心の状態で世界を創造しているのだ。

そんな人間が世界を創造しているのなら、世界もまた造り手の影響を受けずにはいられない。

それが異様な姿の世界になることは容易に理解できる話だ。

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私はこんな世界や人間たちをすべて破壊したい衝動に駆られた。

こんな世界があっていいわけがない。

私は自分の奥底に怒りが生まれるのを感じた。

その怒りが人間の心の表面を目指して急速に駆け上っていった。

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人間たちの心の表面に黒い岩のような塊が現れた。

人間たちはそれを見つけると、大慌てで分厚い石版でもってそれを覆った。

固定概念と呼ばれる石版はこの世界で最も強いと言われている。

その石版で私の怒りを覆って固めたのだ。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。