かみむすび(6)完全な世界
存在はこの宇宙の最高峰であり唯一完成されたものだ。
完全無欠であり、これを超えるものなど宇宙にはない。
この存在の価値に気づく者は稀にしかいない。
誰もがそれよりも劣るもの、劣化したものを愛していた。
どんなに素晴らしいものでも何かが欠けていた。
何かが欠けていたから、私はもっと素晴らしいものを探した。
それを見つけると、私は歓喜してそれを愛さずにいられなかった。
しかし、それもいつか何かが欠けていると気づくのだ。
何かが欠けていると知ると、私の歓喜と愛は冷めていった。
そんなことを何度も繰り返してから、私は何がそこに欠けているのかを探し始めた。
そこにはそれを見るものの完全性が欠けていたのだ。
探求者自身が不完全であれば、それに見られるものも不完全になる。
私が存在になったとき、すべては完全になった。
見る者が完全になれば、世界は完全になるのだ。
明らかに何かが欠けているものでさえ、私が見れば完全になる。
私は世界に不完全なものを見つけることが不可能になった。
0コメント