かみむすび(4)君の瞳
君の瞳を見つめていたとき、その奥の何かが触れてきた。
黒くて透明で暖かなそれは、私をゆっくり瞳の中に飲み込んだ。
瞳の中には漆黒の宇宙が広がっていて、私はそこでひとり暗闇を見ていた。
そこはただ暗闇が広がっているだけの世界だった。
-
私は暗闇に何かを見つけようと、その中を風のように飛び始めた。
どこを見ても同じ暗闇なので、どこを飛んでるか分からなくなった。
それでも私はただ闇雲に宇宙飛行を続けた。
ついに小さな光の粒を見つけた。
-
私は誰にも知られていない貴重な宝物を見つけた気分になった。
その光を見失わないように、それに向かって飛んでいった。
その光に近づくと、その近くにもうひとつ小さな粒を見つけた。
それは光に反射して、とても美しい青色をしていた。
-
それは私がかつて住んでいた青星だった。
私はその星に近づき、ゆっくりとその大地に舞い降りた。
そこで私は美しい瞳の君を見つけたのだ。
私は君の瞳をじっと見つめた。
0コメント