破壊神は我々の世界で優雅に踊る(5)

「あれほどはっきりと教えているのに何も分からぬのか」

ナルタカは明らかに怒った様子でそれに応えた。

我々はこの状況の先に嫌な予感しか思いつかなかった。

黒岩が地の底から湧き出るような雷鳴を轟かせ、それは神殿の巨石をも揺るがした。

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「守護神ナルタカよ、鎮まり給え、鎮まり給え」

我々は平伏してナルタカに懇願するしかなかった。

ここでナルタカの怒りに火がついて、破壊が始まったのでは元も子もない。

そのとき神殿の中での祈りの声が高まり、それにつれて岩の振動は次第に収まっていった。

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「いま我にはお前たちとこの世界を破壊するに十分な歪を感じる」

ナルタカは低い声でそう言うと金色の眼光が前にも増して鋭くなった。

そう言われても、我々は我々の何が問題なのかまったく分からない。

ただ、いまはナルタカが完全に目覚めて、すべてを破壊するエネルギーがそこで発動されることを恐れた。

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「守護神ナルタカよ、どうか怒りを鎮めてください」

我々は叫ぶように懇願した。

黒岩が再び耳をつんざく雷鳴を轟かせながら激しく振動し始めた。

我々はナルタカの目覚めが、もはや抑えられるものではないと悟った。

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黒岩が発する雷鳴は次第に高い連続音になり、何かを加速させているように聞こえた。

我々はもはや対話は不可能と判断し、その場を這うようにして離れた。

振り向くと太陽のような光で目がくらんだ。

黒岩はその面影もなく、ただ白い閃光を放つ光源となっていた。

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我々は振り向いたまま、そこで動けなくなった。

神殿はまるで巨大な地震にでも見舞われているかのうように激しく振動していた。

天井や壁にいくつもの亀裂が走り、大小の破片が豪雨のように床へと降り注いだ。

美しい石造りの神殿が埃の中に沈んでいく。

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ナルタカの白い光は祠から神殿の天井へと伸びていき、その勢いで天井を激しく突き破った。

もう神殿はもたない。

我々は埃を吹き上げながら崩れ落ちる神殿から夢中で外へと逃げ走った。

命からがら外へ出て振り返ると、神殿が目もくらむ白い光に飲まれていくところだった。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。