破壊神は我々の世界で優雅に踊る(3)

「おい、もう引き上げよう」

誰かが震える声でそうささやいた。

誰もがその言葉に同調してうなずくと、前を向いたまま後ずさった。

我々の勇気は完全にしぼんで、引けた腰の奥に引っ込んでしまった。

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「待て」

そのとき黒い岩の奥から轟くような声が神殿に響いた。

我々はその声に腰が抜けてその場に座り込んだ。

そして黒い岩を凝視したまま、次に起こることをじっと待った。

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「お前たちの願いとやらを言うがいい」

黒い岩からナルタカが雷のような轟く声でそういった。

我々はその声に内蔵まで激しく揺さぶられて、もう願いなどどうでもよくなっていた。

ただ何事もなくこの場所を立ち去りたいと思った。

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「お前たちは、なぜ我が破壊するのか知らないのだな」

我々の考えなどナルタカにはお見通しだった。

突然、黒い岩の表面に金色に輝く目が現れ、鋭い眼光で我々を見据えた。

それを見た我々はもう死を覚悟しなければならないと思った。

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「守護神ナルタカよ、我々はなぜ破壊されるのかまったく分かりません」

我々は絞り出すような震える声でようやくそれだけを言葉にした。

ナルタカから発せられる眼力が我々の身体を圧倒していた。

我々の目からは止めどなく涙があふれ、死を前にした小動物のように激しく動揺していた。

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「それはな、お前たちがまったく優雅ではないからだ」

ナルタカは断言するように力強くそう言い放った。

我々はその理由が何であれ、ナルタカがそう言うならそうなのだと瞬時にそれを受け入れた。

我々は今ただ命あるままにこの場を立ち去りたかったのだ。

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「お言葉をいただき感謝申し上げます。それではこれにて」

我々はうつむいたまま落ち着かない挙動でそう言うとそこから退こうとした。

ナルタカが我々を不審に思うその前に、ここから離れなければならない。

我々はこの場にいることを激しく後悔しながら、自分たちの浅はかな知恵を呪った。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。