その魂は果てしない旅の終わりに(11)
まず、あなたは存在が自分であるとして、
その根拠を見つけることにした。
存在は自分の中にあるから、それは自分だといえる。
自分の中でそれが自分でなくなることはない。
それはいつでもそこにある。だからそれは自分だといえる。
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次に、あなたは存在が自分ではない根拠も考えてみた。
存在は姿形を見ることができない。
姿形がないものを自分とすることはできない。
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自分とは身体や思考、記憶、性格、知識のことだ。
それはとてもリアルでここにあると証明できる。
それを抜きにして自分を語ることはできない。
よって、存在は自分ではないといえる。
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あなたが自分の中に取り込んだものを捨てていくと、
存在はよりリアルになった。
存在はリアルになるが、それはなんとも手応えがなかった。
いままであなたが世界から取り込んできた物事は手応えがあった。
いまこれを手に入れたという実感があったのだ。
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だが、存在はその手応えがなかった。
手応えがないどころか、それをリアルにするために、
手応えのあるものを器から捨てていかなければならないのだ。
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これは魂にとって許すことのできないことだった。
それにあなたの思考が同調した。
間違っている。それをやめよ。
ここであなたの探求は急ブレーキを踏むことになった。
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