その魂は果てしない旅の終わりに(7)
自分とは誰なのか。
自分とは誰なのか。
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それは魂ではない。
それは人間もない。
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自分とは誰なのか。
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はじめに気づいたこと、それは自分が誰だか分からないということだった。
あなたは自分を探すために瞑想をした。
何かの伝説で瞑想することがその道を見つけることになるといわれていたからだ。
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あなたは世界のあらゆるところで瞑想した。
寺院や教会で。森の中で。海辺で。山の頂上で。砂漠で。洞窟で。風呂場で。
様々な場所で瞑想することはあなたにやすらぎと明晰さをもたらした。
だが、どんな場所で瞑想をしても自分が誰だか分からなかった。
どれだけの時間を瞑想に費やしてもそれは分からなかった。
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そして瞑想することも魂の器に入れる何かになった。
あなたは瞑想の中で経験した神秘を記録した。
無心の境地、空の中に溶け込んでいくこと、光に包まれて幸福を感じること。
それがあなたの瞑想の意味になっていった。
だが、そうしたとたんに瞑想は意味を失った。
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それに反してあなたの魂は嬉々として瞑想を求めた。
それは魂にとって興味深い新しい経験のひとつだったのだ。
あなたの魂は光り輝き美しい姿になっていった。
そして死が訪れたとき、そのすべての光を吐き出して虚無になった。
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それでもあなたは瞑想で得るものに夢中になった。
それはいままでの世界から手に入れるものと違っていたからだ。
世界で美しい何かを手に入れるよりも瞑想での静寂に心惹かれた。
だが、それは魂の器に入れるものが変わっただけのこと。
あなたの中で好きなことの流行りが変わっただけでしかなかったのだ。
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