その魂は果てしない旅の終わりに(5)
魂とはなんだろうか。
そこにあなたの根源的な何かがあるのだろうか。
あなたは考えた。
なぜ魂は人間になろうとするのだろうか。
それはこの地球に適応して生きるためだろうか。
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それでは人間の存在意義とは何だろうか。
魂が地球で生きたいと望んだ結果だけのことなのだろうか。
魂はなぜ地球に適応しようとしたのだろうか。
なぜ魂のままではいられなかったのだろうか。
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あなたは自分に対して多くの疑問を抱いた。
そこには何かが欠けていた。
何かが確かに欠けていたのだ。
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その疑問には表面的な何らかの答えを与えることができた。
それが真実かどうかは別にして、あなたはあなたの望む答えをつくりだすことができたのだ。
それにあなたは納得して人間としての人生を生きたこともあった。
だがそれはあなたが知りたい本当の疑問に対する答えではなかった。
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あなたの得た答えは与えられた時間に好きなことをして自由に生きること。
結局、どんな疑問があろうとも、あなたには人間としての人生が与えられているだけなのだ。
人間として思うように生きる、それはそれで人間としての人生においては正解だった。
それを間違いだと言うことはできない。
あなたは最後にいい人生だったと言って死ぬことができたのだ。
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あなたは死んで人間の人生をすべて吐き出して魂に戻った。
魂に戻ったあなたが感じたことは虚無だ。
なんでもない存在としての耐え難い虚しさ。
しかも魂はまた呼吸を始める準備ができていた。
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魂がそこで息を吸えば、魂は人間として地球に生まれる。
目の前の地球は生命であふれていて輝いて見える。
一息吸えば人間として即座にそこで生まれるのだ。
空っぽの魂にとってそれを耐えることは理不尽でしかない。
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人間として生まれることに反対する理由など何もなかった。
そのときの魂は息を吐けばまた人間から空っぽの魂に戻ることなど完全に忘れていた。
まるで誰かに恋をするように、それほど魂は地球上で人間として生まれることを熱望したのだ。
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