その魂は果てしない旅の終わりに(3)
美しいものを手放さなければならないため、あなたは死を忌み嫌った。
美しいものを抱いて長く生きることがあなたの望みになった。
あなたは病気にならないように健康でいるための気配りをした。
病気になれば、それを治すために知恵を絞り努力をした。
そうして長く生きることがあなたの人生の重要な目的になった。
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だが長く生きることはそれだけ醜い自分とも付き合っていくことになる。
あなたは身体のその醜さを隠すためにそれを美しい形に変えようとした。
心の醜さの上に美しい考えを流してそれを覆い隠した。
そうして見かけはよくなった。
そうすればあなたは満足だった。
醜さを覆い隠し死を遠ざけて生きる、これで理想的な自分に近づいた。
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だからといって死から逃れることはできなかった。
あなたには死が必ず訪れた。
あなたはそこですべてを捨て去り、また空っぽの魂に戻された。
そこであなたは自分が誰かをまた失うのだ。
この繰り返しは終わることを知らず、あなたはいつまでも確かな自分になることができなかった。
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それでも生まれて死ぬまでの間に、世界から様々なものを吸収して自分をつくりあげていくことは楽しいことだった。
それはとても興味深いことであり、自分がここに存在することの意味だとさえ感じた。
死が訪れるのは仕方がないことだ。
それを忌み嫌うよりも、あなたは生きている間に自分らしく生きることが大切だと思うようになった。
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ただそんな考えは長く続かないものだ。
あなたは美しさの中に見え隠れする醜さに心を痛めた。
その醜さをどうすればいいのか分からなかった。
醜い自分を自分だとは認めたくなかった。
それはあなたの中で恐れとなった。
やがて訪れる死がそれを魂から吐き出させた。
だがそれは何の解決にもならなかった。
あなたはまた人間として誕生し、同じ醜さを抱えて生きることになるからだ。
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