その魂は果てしない旅の終わりに(2)
自分を構築するために人間は無の魂に何かを取り込まなければならなかった。
それを地球上で取り込むことが人間の仕事になった。
その人間とはあなたのことだ。
あなたの魂は無ではなくなることが自分を知ることだと思った。
無の魂にはそれしか思いつくことがなかったのだ。
あなたは人生で起こる物事から多くのことを自分に取り込んでいった。
それは同時に無の魂に何かを吹き込むことことになった。
無の魂はそれを取り込むと何かの形になった。
それは魂にとって手応えのあることであり喜びだった。
その喜びはあなたにとっても同じだった。
そうしてあなたはワクワクしながら形ある自分を築いていった。
それは美しい形になることもあれば醜い形になることもあった。
人間の美しい身体と美しい思考にあなたは惹かれていった。
そして醜い身体や醜い思考を嫌悪した。
だがあなたは醜い身体や醜い思考になることもあった。
魂が無のように純粋であったため、
美しいものが醜くなれば、あなたはそれに合わせるしかなかった。
それが美しい身体であり美しい思考であるとき、あなたは満足していた。
魂はこれが本来の自分の姿なのだと思ったことだろう。
ただ美しい身体は醜い身体に変わっていった。
あなたも知っての通り、人間の身体は老いるのだ。
美しい思考にもひずみが入る。
抑えられない怒りや憎しみが美しい思考をまだら模様に汚していく。
汚れたものが魂の中にあるのであれば、それも自分ということになる。
あなたは自分の思い通りにならないこの変化に苦悩することになった。
自分の中の美しいものが時間とともに醜く変化していくのだ。
その苦悩を解放するものが死だった。
死は魂に取り込んだものをすべて吐き出してリセットする。
ただそれは望むと望まないとにかかわらず訪れた。
さらにそれは醜いものを手放すにはいい機会だが、
まだそこに残っている美しいものさえも手放さなければならなかった。
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