悟った人が知っていること(9)
私が存在であるとき、
私はこの世界をつくっている共通の素材になっていました。
私が自分の中心の動かない小さな点だと知ったとき、
私は全宇宙を包み込む、
それを生み出したすべての素材になっていました。
私は分割できない小さな点であると同時に、
全宇宙を包み込む巨大な身体になっていたのです。
私は存在という小さな点であるだけではありませんでした。
しかし、私ははじめに自分が小さな点であることを
理解しなければなりませんでした。
自分がこの世界で最も小さな点であることを認めなければ、
けっして全宇宙よりも巨大だということを
理解することはできなかったでしょう。
私が自分は極小であり同時に極大であることを理解したとき、
私には次の理解が起こりました。
つまり、私の過去の拠り所であった
身体や心さえも自分だということです。
身体や心に起こることもすべて存在でできているため、
それはすべて自分だと言えるのです。
この世界に生まれてものはすべて存在から誕生しているため、
それはすべて自分でした。
そうだとするなら、変化するものも、
失われるものも、不完全なものさえ自分であり、
つまり、それは変化せず、失われず、完全なのです。
私が不幸だと思ったことさえ満たされていて、
私が失敗だと思ったことも成功であり、
価値がないと思ったことも価値があり、
十分ではないと思っていることもすでに完成されているのです。
言葉上は矛盾していますが、
完全に悟っているということは、
このことを理解していることでした。
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