悲しみの傷を抱えたままで(4)
ところが、私はまったく油断していました。
私は楽しく明るい人生を生きるようになっていたため、
私の中で悲しみがその優位性を失ったと思い込んだのです。
私は悲しみに対する防御を緩めていました。
あるとき、同じように願望をイメージをしたのにもかかわらず、
私の願望が叶わないことがありました。
私はすべての願望が叶うと信じて疑ってなかったので、
その事実に対して衝撃を受け、
即座に深い悲しみに落ちていきました。
何がいけなかったのか、まったく見当もつきません。
今まで通りに間違いなく願望達成法を実施したのです。
それでも私の願望は叶いませんでした。
私は願望が叶わない人生に不信感を持ちました。
私は必ず叶う願望を目指して生きているのであって、
叶わない願望を目指しているわけではありません。
願望が叶わないなら、
この人生に何の意味があるでしょうか。
私はまた悲しみを積み上げていく人生の中へと
戻ることになるのです。
それは私にとって受け入れがたいことでした。
私は願望を叶えるという悲しみを消し去る方法に失敗し、
その衝撃で以前にも増して心に深い傷を抱えることになりました。
私は道を失ったと感じて、
ただこの悲しみを抱えて途方に暮れるしかありませんでした。
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