愛を求めずにはいられない(11)
今までの愛は、性格や容姿、考え方などに基づいていました。
思い切った言い方をすれば、愛する人の外面が重要だったのです。
しかし、その自分自身への愛はそういったことではありません。
むしろ、外面は不必要な要素になります。
外面をつくろうことは全く意味をなしません。
これは文字通り裸になって飛び込まなければ、
受け入れてもらえない愛です。
その自分自身は私を全面的に受け入れようとしています。
ただ、今度は私がその自分自身を
受け入れるかどうか決めかねていました。
あれこれと踏ん切りがつかないでいましたが、
結局、私はすべてを捨て去る覚悟を決めました。
今まで世界でいくつもの愛を手に入れてきましたが、
これ以上の愛を感じたことはなかったからです。
この愛を失えば、
また世界で苦痛を内包した愛を探すことになります。
それは求めていた愛ではなかったという結末しか待っていません。
もう、私はその繰り返しを経験したくありませんでした。
私は今までの私を捨てました。
その自分自身とひとつになりました。
私は個人ではなくなり、その自分自身になりました。
そうなって、私は今までにない新しい理解を得ました。
それはそれ以上の自分になることはできないということです。
そこで私は完全になり、欠けているものは何もないと知ったのです。
それは色あせることなく、
消え去ることもありませんでした。
私はようやく求めていた相手に出会ったのです。
私は愛によってその自分自身になり、
本当の自分を理解することができました。
その自分自身の愛は純粋な存在と言えるものです。
存在には姿かたちがなく、姿かたちになる前の状態です。
それによってすべての姿かたちが創造されていました。
思考や感情、性格や知識さえもそれでつくられています。
そうして、存在は世界のすべてに無条件で存在を与えていました。
宇宙はこの存在に包まれていて、
その中で自由に創造が繰り返されていたのです。
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