生きているという現実の中で(15)
それは私の心の中心にあります。
中心には何が在るでしょうか。
そこには私がいます。
そこには決して動くことのない私の視点があります。
世界を探していたその心の目が私自身でした。
心の中の思考や映像を見ていた心の目が私です。
この私の姿を見ることはできません。
自分の目で目を見ることができないように。
それでもそこに私がいることは確かでした。
この私がいなければ、
どんな人生の経験もできませんでした。
この私はどんな時でもそこにいたのです。
人間として生まれたとき、
楽しく笑っているとき、
悲しみに打ちひしがれているとき、
何かを考えているときや空想しているとき、
そして、死んでいくとき、
死んでしまったあとも、
私はそこにいてすべてを見ていました。
私が何か足りないと思っていたとき、
それを世界中に探しているとき、
それを心の中に見つけようとしているとき、
その私はそんな自分にずっと寄り添っていました。
そして一緒にそれを見つけようとさえしていました。
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