生きているという現実の中で(4)
私はそうして人生を生きて、
最後には死を迎えました。
そう、どんなに素晴らしい人生を生きても、
最後には必ず死んでしまいます。
それは私が直面し続けた、
絶対に逃れることのできない人生の現実でした。
死ぬことは私の人生の価値を無に帰しました。
私が死んでも、
世界には自分の生きた痕跡が残るかもしれません。
しかし、死んでしまえば、
それを自分の実感として留めることはできません。
死は私のすべての記憶を奪い去るからです。
死ぬと記憶を失った透明な魂のようになります。
最初は記憶が残っているかもしれませんが、
眠りから覚めたあと、
今まで見ていた夢の記憶が薄らいでいくように、
時間と共に人生の鮮明さが失われていきます。
最後には自分が誰だったのかも分からなくなりました。
ただ、楽しく生きるという人生の目的だけは、
魂に染み付いて運ばれていきます。
それが死んで記憶を失った際に、
自分は楽しい人生を生きていないという状況だけが
浮き彫りになり、
そこから生きることへの飢餓的な感覚が芽生えます。
その感覚は炎のように激しくなり、
力を増していくそれに導かれるようにして、
私はこの世界に何度も生まれてきました。
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