生きているという現実の中で(1)
(1)
自分は何のために生きているのか、
私は実際に人間として生きながら、
ふとそんなことを考えることがありました。
ただ、それは絶対に考えなければならない、
どうしても答えを出さなければならないような
そんな押し迫った必要性を感じませんでした。
現実の自分の人生に目を向ければ、
そこには必要に迫られていることが多々あります。
私は今の自分の人生の状況を
より良く変えなければならないという問題を
常に抱えていました。
それは私にとって何よりも現実的なことです。
そんな現実を疎かにして、
なぜ生きているのかをいくら考えても、
自分の人生の状況は何も変わりはしません。
それなら、私は生きている理由など考えずに、
このまま現実に即した必要なことをして、
如何にしてより良く生きていくかを考えることが
最優先であることは明白でした。
それで、自分が何のために
生きているかという問い掛けを、
私は後回しにし続けました。
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