神の声 第4章:星空の伝承(1)

夜空を眺めていると、

そこに吸い込まれて、

自分という存在が消えていきそうになる。


そんな不思議な感覚の中で、

自分とは誰なのか、

何の為に生まれてきたのか、

自分は存在する価値があるのか、

そんな想いを感じ取っている。


何もかもが神秘的に感じられる瞬間だ。

自分が小さな人間ではない何かに感じられる。


いつもの世界のノイズが消えて、

今まで創り上げてきた自分が氷のように溶け、

背負ってきたこととか、

こうあらねばならないという気負いが無になって、

私の中で純粋な自分が剥き出しにされていく。


それは取るに足りない一瞬の想いかもしれない。

そんなことはすぐに忘れてしまうかもしれない。

でも、それはただの気まぐれな思いではない。


後で分かったことだが、

そう感じるのにはちゃんとした理由があった。

私に起こること全てに理由があって、

それは私をたったひとつの場所へ導いていこうとしていたのだ。


導かれていく先は本当の自分自身だ。

自分とはいったい誰なのか。

私は本当の自分を知らなかった。

ある日、私は本当の自分を知るための扉を押し開けた。


本当の自分とは誰なのか。

それを知るために私がしたことは、

時間を遡ることだった。


どのくらい遡るかというと、

あの夜空の果の宇宙誕生の前までだ。

宇宙が誕生する前は何もない。

何もないけれども、そこには宇宙のすべてがある。

これから誕生するであろう宇宙のすべてが詰まっている。


私が感じるに、それはとても小さく、ひとつにまとまっていた。

まだ個別の何かというものに別れる前の

なんの性質もない透明な何かだったかもしれない。


その前宇宙を正確に説明することは難しい。

だが、私はその場所をはっきりと知ることができた。

それは夢物語や神秘主義の想像物ではないし、

誰かの話を聞いて、それを信じ込んだということでもない。

私は直接それに触れて確かめることができたのだ。

なぜなら、全てがそこから生まれて来たことは

明白なことなのだから。


私にはそこに居た記憶が残っていた。

もっと正確に言うなら、

それは記憶ではなく、今現在もそこに居るということだ。

一説には宇宙が誕生して百四十億年と言われているが、

私の心の中には、その時空を超えて、

いつでも宇宙誕生前の状態がいきいきと存在していたのだ。


人は輪廻転生して生まれ変わるという話がある。

人には前世があるという考えだ。

もし、前世があるとするなら、自分の前世は誰だったのか、

少しは気になるかもしれない。


生まれる前の人生はどんなだったのか、

どんな人間でどんな暮らしを送っていたのか、

私もそう自分の前世に思いを馳せたことがある。


もし、自分がそうして何度も生まれ変わっているなら、

一番古い前世は誰だろうか。

それを手繰って行けば、

最終的に宇宙が始まる前の自分に行き着く。

誰でも必ずそこに行き着く。

そこが誰にとっても究極の前世なのだ。


人間の歴史上の時代とかいう話ではない。

それは人間はおろか生物さえも誕生していない。

それが私の知りたい前世であり、

その前世を知ったとき、

私は本当の自分が誰なのかを理解したのだ。


この「本当の自分」という言葉、

それについての説明が必要かもしれない。


自分が誰なのかを知るために、

人は生き方のスタイルを見つけたり、

好きな物事を自分の周りに集めたりすることがあるが、

それは私が言う本当の自分を知ることではない。


確かに、人生でやりたいことを見つけることを

本当の自分を見つけると言うことがある。

ここで私が言っている本当の自分という言葉の意味は、

自分の原点を知るということだ。


好きなことをすることは、

自分の人生を外側に展開しているのであって、

それは自分の原点を知ることではない。

それは付け加えられた何かだ。


もちろん、それを「自分を知る」と言うことは間違いではない。

だが、自分の原点を知ることと自分の好きなことを知ることは、

同じ自分を知るという表現を使うが、全く違う意味になるのだ。


だから、これが本当の自分なのだと言って、

人生の生き方のスタイルを示すことができても、

それが自分の原点という意味での本当の自分にはならない。


その明確な違いはこうだ。

生き方のスタイルは無数にある。

そこに誰もが満足する最終的な答えなどないだろう。

どんな生き方のスタイルでも足りないものがあるものだ。


だが、自分の原点は誰にとってもひとつしかない。

そこは確かな答えがある。

それは全ての発祥の地であり、足りないものがない完全な状態だ。

これが本当の自分を知るということだ。

それを見つける場所が宇宙誕生の前の状態なのだ。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。