超人ザオタル(35)もどかしい想い

「それはよく分かります、アムシャ。

だた、何もないところに何を見つければいいのでしょうか。

私はそこにいると知っています。

それが道の終着地だとさえ分かっているのです。


ただそこに手応えがないというか。

世界での経験のような記憶するべき何もありません。

いったい私は何を見落としているのでしょう。

そこが本当の自分だとも知っています。


考えれば考えるほど分からなくなっていきます。

ここに意味があるのか。

私の道の終着地は本当にここでいいのか。

誰も何も答えてくれません」


アムシャの言葉に刺激されて、私の想いが吐き出された。

「それについてはもちろん自分で理解しなければならない。

私の説明はひとつの言葉でしかないのだ。

言葉には伝える限界がある。


だが、その言葉を元に自分で自分の概念を破壊するのだ。

そしてその何もない世界に自分を合わせてみる。

全面的にそこの感覚を受け入れてみる。

それ自身になって、それがどういうことかを直に感じてみるのだ。


それでも分からないかもしれない。

いや、ほとんどの場合、何も分からないだろう。

それでも瞑想でそれを絶え間なく繰り返していくのだ。

そうして自分の概念の壁を削り取り、そこと完全にひとつになる。


いつかは分からないが、その意味を知る時が来る。

それは言葉では説明不可能だ。

何しろそれはこの世界のものではないのだ。

言葉を超えたものが確かにそこにはある」


アムシャの言葉は私を励まし導いていく。

私はそれを理解できるところにいるのだ。

だから、アムシャは私に言葉を投げかけ続ける。

そうと分かっているから、はっきりと理解できない自分がもどかしい。


岩山の上で沈黙が続いた。

私は沈黙でいることが正しいことだと感じた。

アムシャも黙っていた。

あの優しい風が私を撫でたあと、世界がぼやけて溶け始めた。


気づくと私は静寂の闇の中にいた。

相変わらずそこには何もなかった。

ただ、自分はここにいると分かっている。

それだけが、ここでの私の真実だった。


瞑想から出るように意識が表面に浮上していった。

身体の感覚が戻り、私は椅子に座っている自分と重なった。

ゆっっくりと目を開けると、外が白んでいた。

夜明けの光が窓に差し込んだ。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で今まで気づかなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい人生が始まっていきます。