超人ザオタル(18)心の道

「すでにおまえは世界を超えているのだ。

だから世界の概念でそれを理解しようとすれば混乱してしまう。

そうなるのはあたり前のことだよ、ザオタル」

私は唖然として何も返答できなかった。


アムシャの言葉で、私の疑問が解けるのが分かった。

そういうことなのだ。

私は世界を超えたところの概念を知らなければならない。

そうでなければ、本当の自分を理解することもできない。


言われてみれば、あたりまえのことだ。

瞑想の自分を疑う前に、私のその固定概念を調べるべきだった。

世界が違うのであれば、私の概念に合うことなどそこにはないのだ。

そんなあたり前のことで、私は混乱していた。


「そういうことだ、ザオタル」

唖然としている私をアムシャは微笑んで見ていた。

「私のするべきことは、先入観なしに自分を見つめること。

そして、それを確かめ続けることですね」


アムシャは微笑んだまま何も言わなかった。

さっと目の前の草原が消えて暗闇になった。

まるで瞑想の領域が切り替わったような感じだ。

私はひとりきりになって、そこにいた。


私は自分が在るという感覚に焦点を合わせた。

それは相変わらず安定せず、確かだったりぼやけたりした。

それでも私はそこに何とかそこに留まろうとした。

何度そこから焦点が外れても、またそこに合わせていく。


私の瞑想はそんな訓練とでもいうべきものになっていった。

そこには静寂も至福もなかった。

それはずれていく焦点との絶え間ない格闘だ。

私は次第に疲れて集中力を失っていった。


瞑想を終わりにするために、意識を表面に引き上げた。

目を開けた時、私は岩山の下に座っていた。

現実に戻って、ひとつため息をついた。

まだぼやけている感覚を戻そうと目を見開いて空を見た。


これも道なのか。

そうであるなら、確かに今までで一番過酷な道かもしれない。

立ち上がると、岩山の上にいるミスラを見つけた。

私も岩山に登った。


ミスラの隣に腰を下ろして草原を見下ろした。

美しい景色に顔がほころぶ。

「アムシャに会いましたか、ザオタル」

ミスラは静かにそう尋ねた。


「ああ、瞑想の中で会ったよ、ミスラ。

この岩山のここと同じ場所だ」

ミスラはとても静かだ。

「ザオタル、私の役目はここまでです」


穏やかで少し悲しい目でミスラが私を見た。

「ここまで…、どういうことなのだ、ミスラ」

「私はザオタルをここまで導く役目があったのです。

この岩山が私の終着地なんです。


ここからは私なしで歩んでください。

もうあなたはひとりで歩いていけます」

私は言葉もなかった。

ずっとミスラは一緒にいるものだと思い込んでいた。


岩山からミスラの姿が瞬時に消えてしまった。

私はただひとり残されてそこに座っていた。

まだそのあたりにミスラのいる気がしたが、見回しても姿はなかった。

草原を渡る風が私の身体を優しく通り抜けていった。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で今まで気づかなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい人生が始まっていきます。