03︰海と心
海は、
嵐になるときもあり、
凪になるときもある。
海面は、
星を映す鏡になり、
渚では心を癒やす音を奏でる。
深海は、
暗闇に閉ざされた世界となり、
生命に過酷さを与える。
だが、そのすべては海だ。
海の姿は多彩に変わるが、
それで海であることが、
変わることはない。
心は、
悲しみに暮れるときもあれば、
歓びにあふれるときもある。
心の表面は、
性格や感情を映す鏡になり、
喜怒哀楽の気持ちに染め上げる。
心の深部には、
あらゆるものを飲み込む闇があり、
大切にしているものを眠りにつかせる。
だが、そのすべては心だ。
心の姿は多彩に変わるが、
それで心であることが、
変わることはない。
存在は、
悲しむことも喜ぶこともない。
そこには浅いも深いもない。
存在は、
変わることなく、
ただ存在としてあるだけだ。
それでいて、すべてのものに行き渡っている。
海も心も存在で満たされている。
この世界にあるものの姿形が違っていても、
その内側にある存在は変わることがない。
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