かみむずび(83)可能性の場所
米粒ほどの小さな種がいつか空を覆う大樹になる。
見たものをそのままに信じてはいけないのだ。
それには計り知れない可能性が秘められているかもしれない。
ただそれを知ることができるのは後になってのこと。
何もないところでひとり佇むことに意味はあるのか。
それには何の意味も感じられないだろう。
なにしろそこには何もしないのだ。
何もしなければ、なにかが起こることもない。
だがそれは見た目でしかない。
そこにいるだけで起こることもある。
はっと何かに気づくこともあるのだ。
もしその場所自体が求めている答えだとしたら。
それに気づくことだけが残っている。
その場所から離れてしまえば答えから遠ざかる。
その答えを知ったときに、そこにいることの意味が分かる。
そんな場所が誰の心の中にもある。
0コメント