かみむすび(82)世界の秘密
この世界の秘密は誰にも知られてはいけない。
それを知ってしまったら、後戻りはできないから。
その秘密を知りたいという気持ちはある。
もちろんその秘密を知っても構わない。
いや、むしろその秘密を知るべきなのだ。
だが、その秘密を受け入れるだけの覚悟が必要だ。
その覚悟を培うために、私は瞑想をしているのだ。
秘密への扉はいつでも目の前にある。
それに手をかけて開けようとするが、何度も思いとどまった。
それを開けるにはまだ早すぎるかもしれないと思ったのだ。
私は自分の覚悟に自信がなかったのかもしれない。
私は長い年月、その扉を見つめ続けた。
ある日、その扉が開いていた。
そして秘密がそこから飛び出して横たわっていたのだ。
その秘密とは扉の向こうには本当の私がいるということ。
横たわっていたそれはゆっくりと目を開けて私になった。
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