01:自分は誰かについて

かつてスピリット・ウェイカーは私にこう語った。


あなたは当たり前のように、この人生を自分として生きている。だが、そう生きているあなたは誰なのか、そう問われたら、あなたは何と答えるだろうか。


あなたは自分とは身体と心のことだと答えるだろう。それ以外に思いつく自分はいない。あなたは自分が身体と心だと思うから、それを人生で思い通りに操って、望む姿に自分を作り上げようとしている。


あなたにとってこの世界は自分が存在するための大切な場所だ。なぜなら、この世界での評価が自分の価値を判断する材料になるからだ。


そのため、あなたは身体の健康を維持し、より良い思考であることを心がける。そうして世界に高く評価される自分を実現しようとする。


それはそれほど簡単なことではない。ときには病気や怪我をすることもあり、間違った思考に導かれて失敗することもある。そのため、あなたは世界からたくさんの情報を集めて、自分にとって何が最善の選択なのかを分析する。


あなたは数々の失敗から学び、そこからより良い自分を何度も構築し続けていく。そうして自分が世界に高く評価される人間になったとき、あなたはそのことに必ず満足すると期待している。


あなたはそういった満足を求めて生きている。あなたは世界に評価されるための指示を自分に出し、自分が世界でより高い存在になることを目指す。だが、その目指すところに手が届くことはない。


どれだけ自分の身体と心が質の高い存在になろうとも、それであなたが満足することはない。いつでも何かが不足しているのだ。それでもあなたは世界に評価されることが正しいと信じているため、それ以外の方法に目を向けることはない。


あなたはいったい誰なのだろうか。自分にとっての真実とは何だろう。あなたの真実とは既に完成された自分自身が心の中心にいるということだ。あなたは世界に評価されなくても既に完成されているのだ。


だが、あなたはそんな真実を否定する。そんな自分は丸裸で貧弱なだけだと恥ずかしく思う。そんな自分だから服を着せて美しく着飾ることが必要なのだと考える。そうすることで自分の存在を世界に示すことができるからだ。


服を着てしまった自分は真実の自分自身ではない。服は自分の真実を隠してしまっている。もしあなたが人生での服選びが最優先のことだとするなら、あなたの真実は世界での評価に支配されてしまっている。


自分の真実を知りたいなら、いま着ている服を脱ぎ捨てなければならない。そんなことをすれば、あなたは慌てて恥知らずなことをするなと言うだろう。その言葉に従ってしまえば、あなたはいつまでも世界に支配されたままだ。


その言葉に抵抗して服を脱ぎ捨てることを選択すれば、あなたは自分の真実に戻ることができ、そうなったとき、世界はあなたの支配下に置かれる。

空風瞑想

空風瞑想は真我実現の瞑想法です。瞑想の中で今まで気づかなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。「私は誰か」の答えを見つけて、そこを自分の拠り所にするとき、新しい人自分としての生が始まっていくでしょう。