名もなき師が教えてくれたこと(17)配置

私はいつものように夢の中であの男に会った。

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「話を始めてもいいでしょうか」

「はい、いつでも始めてください」

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「私は本当の自分と個人を見分けることができません」

「本当の自分と個人は明らかに違います」

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「心のなかで話しているのは誰でしょうか」

「それは個人のマインドです」

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「マインドは本当の自分ではないのですね」

「本当の自分の核心ではありません」

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「それはどういうことでしょうか」

「マインドは本当の自分によってつくられています」

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「ではマインドも本当の自分であるということでしょうか」

「そういうことになりますが、配置が違うのです」

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「配置が違うとはどういうことでしょうか」

「すべての核心は本当の自分です。そこからあらゆる動きが派生しています」

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「つまりすべての動きの原点は本当の自分だということでしょうか」

「そういうことです。マインドさえもその中身は本当の自分だということです」

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「マインドにはそんな自覚はありません」

「そこがマインドの欠けている部分であり、埋め合わせることが可能なところになります」

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「マインドは本当の自分を否定すらしています」

「本当の自分は囚われがないため、そんなマインドも受け入れています」

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「私はマインドの話に説得力を感じてしまいます」

「マインドは今の配置を変えたくないのです」

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「今の配置とは何でしょうか」

「個人やマインドが自分の中心になっているという配置です」

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「それだと問題なのでしょうか」

「本当の自分が中心にあることが真実であり、マインドはその真実を認めないため摩擦を生み出します」

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「摩擦とは何でしょうか」

「マインドのいうとおりに何かを求めても、何も得られないということです」

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「本当の自分は何かを得ることができるのでしょうか」

「何も得ることはできません」

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「それではマインドと同じではないでしょうか」

「本当の自分は何も欠けていないので、何かを得る必要がないのです」

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「マインドはどうするべきなのでしょうか」

「本当の自分が自分の核心だという真実を認めて受け入れることです」

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「マインドは死んでしまうのでしょうか」

「マインドは死にません。ただ自分の中で配置が変わるだけです」

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「それが私の望んでいることなのでしょうか」

「それをマインドは求めていますが、その本当の自分に確信を持つ必要があります」

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二人の間に沈黙が流れた。

それは私のマインドを圧倒する沈黙だった。

マインドはどうすることもできず、沈黙の中に沈んでいった。

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私は目を覚ました。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。