かみむすび(57)時の道

私がこの世界で目覚めたとき、生命の時が進み始めた。

生きるのだということしか分からず、やみくもに時を歩いていった。

私の身体は生傷が絶えず、いつもどこかに痛みを抱えていた。

それでも時の道は進むことをやめず、私は歩くしかなかった。


この道がいつか終わりを迎えると知ったのは後のことだ。

そのときの私は何のためにこの道を歩んでいるのか分からない。

私は何のために目覚め、何のために終わりを迎えるのか。

時の道は前を照らし、黙ってそこを行くように促すだけだ。


道は一本だったが、歩くほどに様々な姿になった。

丘に広がる草原、森の獣道、山の切り立つ岩、街のアスファルト。

歩くのには心地いい美しい道もあり、身体を痛める厳しい道もあった。

いつしか私はそんな道に魅了されて、終りが来ることを悲しんだ。


時の道が早足になり、その終わりに近づくのを感じた。

私は時を歩んでいたが、同時にそこで立ち止まった。

そして、終わりに向けて歩んでいる私の姿を見ていた。

すでに道は消えていて、立ち止まった私は時の道になっていた。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。