かみむすび(49)神は言った
神は言った。
悪魔よ、おまえはどうやっても死ぬのだ。
死んで悪魔をやめたいのがおまえの望みなのだろう。
大丈夫だ、その望みは必ず叶う。
神は言った。
天使よ、おまえはどうやっても死ぬのだ。
自らの善行の記憶を墓に埋めよ。
大丈夫だ、そうすれば魂まで消え去ることはない。
神は言った。
魂よ、おまえはどうやっても死ぬのだ。
死んで流転することをやめたいのだろう。
大丈夫だ、私のなかに目覚めればそれは止まる。
神は言った。
世界よ、死ぬことが終わりなのではない。
私の中で目覚めるまで、おまえは終わらないのだ。
大丈夫だ、私はいつまでもおまえを待っている。
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