かみむすび(46)忘却の空

何かを忘れていることに気づいていた。

だが、それが何かはわからない。

わからないから、私は何でも手に入れようとした。

手に入れたものは、その何かではなかった。


手に入れたものは、すぐに淡雪のように消えていった。

淡雪の名残が私の忘却を蘇らせることはなかった。

忘却は欠けたガラス窓から吹き込むすきま風になって、

それが私の心からぬくもりを奪っていった。


何をしても無駄というささやきが心の闇に響いている。

私はその声に耳をふさぎ、それでも手に触れるものをつかもうとした。

忘れたことを思い出そうとして、途方に暮れていた。

進む道さえ見失って、私は立ち止まって青い空を仰いだ。


そこで私は何かを手に入れることをやめた。

何かを手に入れようとすることさえやめた。

私自身さえ、忘却の空に打ち捨てた。

そのとき、私は自分が誰だったかを思い出した。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。