かみむすび(41)瞑想の彼方
瞑想の彼方にあるものは姿形がない。
私は姿形を探していたので、それに気づかなかった。
それにそれはこの世界のものではなかった。
だから世界を見る目では見つけられなかった。
瞑想の彼方にあるものは何も語らない。
どれだけ耳を澄ましても、何の声も聞こえない。
瞑想の静けさがそこに在るだけだ。
まるで誰もいないように、それは存在を消していた。
瞑想の彼方にあるものは動くことがない。
それは完全に静止していて、そこで何かを守るようにとどまっている。
この世界が始まる前から、それはそうしていたのだ。
悠久の時が静止したその周りで大河のようにゆったりと流れていた。
瞑想の彼方にあるものは私自身だ。
それは世界の何よりもはっきりと存在していた。
そしてそこから黙って世界を眺めている。
世界でたったひとりの私自身として、すっとそこにいたのだ。
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