心の痛みを癒すために:瞑想哲学

心の痛みは起こる。私たちはその痛みに苦しむ。そして痛みを癒やす。そこで痛みが癒されても、痛みが起こらなくなるわけではない。もし、その心の痛みから解放されたいなら、本当の自分自身を知ることだ。

私たちは心に痛みを感じることがあります。過去に起こったことを思って心に痛みを感じたり、あるいは未来のことを思って沈痛な思いになったりします。心に痛みを感じるのは何かしらの具体的な原因があります。その原因は私たちの安心と幸福が壊されることに関係しています。私たちはいつでも安心して、幸せな気持ちで生きていきたいのですが、人生ではそうさせてくれない何かが起こります。それが起こると、とたんに不安になり、不幸な気持ちになります。ときには人生に絶望して、生きる気力すら奪われます。


なぜ、安心と幸福を望んでいる私たちに、それを壊すような災厄が起こるのでしょうか。それは多くの場合、予想していないところで起こります。なぜ予想できないかというと、自分の安心と幸福のためにしていることが、まさか災厄につながるとは思いもかけないからです。私たちは自分の安心と幸福がさらに増していくように、長続きしていくようにと考えています。それはいいことですが、ときには危険な道を通る場合もあります。私たちは自分の安心と幸福を最高レベルに引き上げようとして、そこが危険だということに気が付かずに進んでしまいます。そのため、自分ではちょっと道を外れるくらいのことだと思っていても、いつの間にか、その災厄に触れる領域に入ってしまうのです。


このことは、どれだけ繊細な注意を払っていても予想することが難しいかもしれません。私たちは、多くの場合、正しいことをして人生を生きていると思っています。自分がすることには何かしらの正当な理由があり、それは自分の安心と幸福を実現するためだと信じています。でも、私たちのすることが、本当に安心と幸福をもたらすかどうかは分かりません。そんな保証はどこにもないのです。もし、それが見当違いのことであれば、私たちが安心や幸福を手に入れようとしていても、いつの間にか災厄の真っ只中にいる状況に陥ってしまうでしょう。


私たちは生きている限り、安心や幸福を求める中で必ず間違いを犯し、心に痛みを感じる状況になります。それを避けて通ることはできません。そのため、私たちは傷ついた心を癒やすことが必要になります。私たちは心が傷ついたとき、だれも知らないところにひとりで旅に出たり、じっと部屋にこもって心穏やかな時間を持ったりするかもしれません。そして心の痛みが癒えるのを待ちます。あるいは体を動かしたり、美味しいものを食べたり、温泉でゆっくりお湯に浸かったりします。本を読んだり、人の話を聞いて生きる勇気をもらうこともあるでしょう。そうして、私たちは癒やされて、心の痛みをリセットしていきます。


私たちは心を傷つけるばかりではありません。人生を経験して、なるべく心が傷つかない生き方を学んでいきます。でも、それで心が傷つくことが無くなるわけではありません。私たちが人生で安心と幸福を求める限り、それを壊す出来事は起こり続けます。その度に、私たちは傷ついた心を癒やし、そして新たに生きていく力を取り戻します。そうして心が傷つくものであるなら、私たちにとって人生で必要なことは、いかにして傷ついた心を癒やすかということになります。心が傷ついたままでは、生きていくことができません。生きていくことができなければ、そこに安心も幸福もないのです。私たちは砕け散った心を癒やして、そこから立ち直って生きていく必要があります。


私たちの心が傷つくことは、とても現実的なことです。心は確かに痛みを感じています。でも、本当に私たちは傷ついているのでしょうか。私たちは当たり前のように心と自分を同一視しています。心は傷ついたと感じていますが、それを知っているのは私たち自身です。つまり、それは心が傷ついているのであって、私たち自身が傷ついているわけではないということです。人生にどんなことが起こっても、私たち自身は絶対に傷つくことがありません。心の傷を癒やすための効果的な法がいろいろありますが、それによって心が痛むことが人生に起こらなくなるわけではありません。心の痛みから完全に解放されるためには、絶対に傷つかない本当の自分自身を知る必要があります。そうすれば、心の痛みが人生の中で繰り返されることに思い悩む必要はなくなります。


本当の自分を知るということは、絶対に傷つくことのない自分でいられるということです。もし、傷つくことが無くなるのであれば、私たちは本当の自分を知りたいと思うかもしれません。本当の自分を知ったなら、私たちの心は傷つかなくなるのでしょうか。残念ながら、私たちの心は傷つきます。それを癒やすことも必要になります。でも、本当の自分でいる時には、自分の心が傷ついてもいいという立場にいます。心が傷ついたとき、私たちはその傷ついた心に気がつきます。そして、私たち自身がそれを癒やします。私たち自身が絶対に傷つくことのない存在であることが、傷ついた心を癒やす一番の方法になるのです。本当の自分は傷つきやすい心のすぐそばにいます。もし、私たちが本当の自分を知ったなら、いつでもそこで心を見守ることができます。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけます。それを自分の拠り所にすることで、人はその真実と共に蘇り、新しい自分として生きることを始めていきます。