青の記憶(5)瞑想

「おい、青、教えてくれないか」

アンスロポスが青のところにやってきた。


「はいはい、今度は何でしょう」

青はアンスロポスを部屋に迎え入れた。


星はさっきまでの喧騒がウソのように

シンと静まり返っている。


「青は、変わらないものが自分と言ったが」

「そんなもんは何もなかったぞ」

「むしろ、変わるものが自分なんじゃないのか」

「青の言っていること、何かおかしいぞ」

アンスロポスは青を疑いの目で見た。


もちろん、青がアンスロポスに

正しいことを言っているとは限らない。


「変わらないものは見つかりませんでしたか」

「それは困りましたね」

青は腕を組んで目を閉じた。


「やっぱり、変わらないものはありますね」

「私がいま確認しました」

「それがやっぱり自分です」

青は自信ありげに答えた。


「あなた、もう分かっていると思いますが」

「身体も心も自分じゃありませんよ」

「もちろん、知識とか能力もそうです」

そう言って、アンスロポスを見つめた。


「もちろん、それは分かっている」

「だかな、ホントに変わらない自分なんているのか」

アンスロポスはまだ疑いが晴れないようだ。


「確かにいますよ、アンスロポスさん」

「それが分からなければ」

「あなたは自分が誰だか分からないままです」

「もう一度、星に帰って、よく吟味してみてはどうですか」

「瞑想するのも良いかもしれませんよ」

青はそうアンスロポスに促した。


「青、なぜその答えを教えてくれないんだ」

「はっきり教えてくれてもいいじゃないか」

アンスロポスは青の態度に納得がいかない。


「アンスロポスさん、これは言葉では伝えられないんです」

「あなたはヒントを頼りに自分で分からないと」

残念ですが、と青は答えた。


「そうか、そうなのか」

「じゃあ、今一度、星に戻って考えてみる」

「瞑想もしてみるか…」

アンスロポスはこれ以上、話しても無駄だと思ったようだ。

そのまま星に帰っていった。


星はまた元のように騒がしくなった。

青はそれを聞いて、また静かに微笑んだ。



空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。