16:コンタクトパーソンの憂鬱(3)

「そうなんですね…」

「分かりました…」

メダカはかなり気落ちしているようだ。


「ところで、何でそんなことが気になるんだ」

オレにそんな質問をするために、

こんな手の込んだことをしたのか。


「それは…、ちょっと気になって…」

メダカの歯切れが悪い。


「ちょっと気になったくらいで…」

「オレを探し出したりしないだろう」

「かなり裏の手を使ったはずだ」

メダカの質問には裏があるとオレは睨んだ。


「それは、そうですが…」

メダカのやつ、なかなか吐かない。

まあいい。


「それから、忠告だが…」

「オレにコンタクトするのはこれっきりだ…」

「ここにコンタクトする方法も誰にも教えるな」

そう、オレはメダカに釘を差した。


「それは分かってます…」

「約束します…」

「カエルさま…」

なかなか素直なヤツそうだ。

好感が持てる。


「よろしい…」

「これは…、カエルとの約束だ…」

「オレも忙しいから…」

「このくらいでいいか…」

オレはこのどうでもいい案件を

さっさとクローズしたかった。


「もうひとつだけいいでしょうか…」

メダカはまだ粘った。


「なんだ、さっさと言ってくれ…」

メダカの心のわだかまりを消化しないと、

また付きまとわれるかもしれない。


「その…、なんで僕は生まれてきたのでしょうか…」

メダカはまた面倒な質問をしてきた。


「それはな…、生まれてきちゃったからだよ…」

多分、納得しないだろうと思ったが、

とりあえず、オレはこう答えて探りを入れた。


「それはそうでしょう…」

「でも、生まれたからには…」

「理由があるはずじゃないですか…」

やっぱりメダカは食い下がる。


「そうだ、理由がある…」

「だが、それはオレの口からは言えない…」

オレはメダカを焦らしてみた。


「それが分からなければ…」

「どうやって生きればいいかも分かりませんよ…」

「カエルさま、知っているなら教えてください…」

メダカめ、なかなか鋭いところを突いてくる。


「好きに生きればいいのさ…」

「だいたい、オレにあれせいこれせいと言われたくないだろ…」

「もし、親がうるさくそんなこと言えば…」

「その子供は反抗的になっていく…」

「人間界では問題にっているんじゃないのか…」

「そんなことはオレも分かっている…」

「だから、あれこれ言わないのさ…」

オレはメダカに正論を放った。


「僕は何というか…、生きる目的を失ってしまって…」

「こういうときは、何かアドバイスが欲しいものなんです…」

「それが、カエルさまなら、間違いないだろうと…」

「そう思ったんです…」

んー、なかなか可愛げのあるやつに思えてきた。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。