15:ドライブする夢(7)

僕は床で寝ていた。

微かに頭痛がする。


誰かの足音がする。

あら、また眠っちゃったの。

マギーさんの声だ。


ベッドから落ちてるよ。

ご飯できたから、

マギーさんはそう言って部屋を出ていった。


ああ、うん…。

僕はズレたタイミングで返事をした。


僕はゆっくりと手をつきながら起き上がって、

床に座った。


思わず床を触ってみる。

冷たい木の感触がそこに感じられる。

こっちが現実なのか。


でも、なぜここにマギーさんがいるんだ。

何も思い出せない。


僕は起き上がって洗面所を探した。

部屋の中を見回して、ドアを見つけた。


そこを開けると、あのジャガーがいた。


真っ白い壁の小さな部屋に、

ジャガーは座って、じっと僕を見ている。


おまえ、まったく分かってないな。

そう言って飛びかかっると、

また僕を飲み込もうとした。


僕は、

ちょっと待ってとジャガーを制止した。


なんだ、なんか分かったのか。

ジャガーは飲み込むのを止めて、僕を見た。


いや、そうじゃなくて、

何が起きているのか教えてほしんです。

僕は哀れっぽく、ジャガーに言った。


教えて欲しいだと。

ふざけるのもいい加減にしろ。

ジャガーはガァーっと吠えた。


僕は思わずその部屋を飛び出して、

ドアを思いっきり締めた。


そして、ドアがあかないように押さえた。

しばらく押さえ込んでいたが、

気配がしないので、

恐る恐るドアを少し開けて部屋を覗いた。


そこにジャガーはいなかった。


僕は開いている別のドアから部屋を出た。


パンの焼けるいい匂いがした。


そこはキッチンで、

マギーさんがテーブルで食事をしている。


もう、先に食べているよ。

僕を見ながら、そう言って、

少し不機嫌そうにパンにかぶりついた。


テーブルには僕の分らしい、

パンが二切れとコーヒーが置いてある。


そこで、やけに静かなことに気がついた。

この部屋以外の物音が何もしない。


僕は椅子に座って、コーヒーを飲んでみた。

普通に美味しいコーヒーだ。


マギーさんが不思議そうな顔で僕を見る。

どうしちゃった。大丈夫なの。


大丈夫と小声で言って、

きごちなく微笑みながらマギーさんを見た。


よし、じゃあ出かけようか。

今日は私が運転するわ。


マギーさんは立ち上がって、

家の外に出ていった。


僕もマギーさんの後を追った。


家の外にはあの車が止まっている。


マギーさんはさっさと運転席に座って、

片手で早くという仕草をした。


僕はその車に乗り込んだ。


そして、ドアをバタンと閉めたとき、

僕は目が覚めた。


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけます。それを自分の拠り所にすることで、人はその真実と共に蘇り、新しい自分として生きることを始めていきます。