08︰太陽は自分の光を見たことがない


太陽は自分の光を見たことがない。  


いつも、地球上の生き物たちが、 

自分を眩しそうに見上げる。 


それを見て、 

自分が光を放っている存在なのだと分かる。 


太陽は自分が放っている光の反射を、 

見ることができても、 

光そのものを見ることはできない。 


その光を見ることができる生き物たちが、 

とても羨ましい。 


太陽はなんとかして、 

自分の光を直接見ようとしたが、 

どうしてもできなかった。 


分かったことは、 

それを見るためには、 

太陽であることをやめなければならない、 

ということだ。 


太陽は自分が地球上の生物になれば、 

自分の光を見ることができるはずだと思った。  


そこで、太陽は太陽であることをやめて、 

人間になることにした。 


その魂は太陽から抜け出し、 

人間の身体に収まった。  


そして、人間の目で世界を見てみた。 

空を見上げると、そこに太陽が眩しく輝いている。 


太陽は自分の姿を見て感動で心が震えた。  

朝や夕方の赤く燃えるような美しさに魅了された。 

ずっと見ていても、見飽きるということがない。 


太陽は夜になると沈んでしまうが、 

毎朝、必ず人間の前に姿を表した。  


太陽の魂を持つ人間は、 

太陽の光とともに暮らすことに幸せを感じた。  


いつしか、太陽は太陽だったことを忘れて、 

自分は人間だと思うようになった。  


その人間は太陽のことがとても好きだったが、 

なぜこんなにも太陽が好きなのか自分でも分からない。 


太陽と一緒にいる光にあふれる人生を愛していた。 

そして、いっそのこと太陽になりたいと思い始めた。  


太陽の光は私を幸せにしてくれる。 

闇を払い退け、自分の心に歓びを運んでくれる。 


自分がその光そのものになれば、 

この幸せは永遠に続くに違いない。 


人間はそう考えた。 


そこで、人間の魂から抜け出し、 

太陽の中に入ろうとした。 


そこで誰かに言われた。 

太陽になったら、光を見ることはできないよ。  


そうだ、 太陽になったら、

光を見ることはできなくなる。  


太陽は自分が光であるために、 

光を対象として見ることができないのだ。 


それでも、魂は太陽になろうと思った。 

たとえ光を見ることができなくても、 

太陽自身でいたかった。  


そして、魂は再び太陽に帰っていった。 


太陽にとって、自分の光は透明な闇に等しい。  

それでも、眩しそうに見上げる誰かの目を見るたびに、 

自分が光であることを思い出す。 


魂は自分がどんな光を放っているか知っている。 

そして、その光を愛してくれる人間がいることも知っている。 


いまでは、太陽は自分で光を見ることができなくても、 

光自身でいることに幸せを感じている。  

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。