12:生きる理由について


かつてスピリット・ウェイカーは私にこう語った。 


なぜ、あなたは生きているのだろうか。はじめ、あなたは生きるために生きている。そうして生きている中には喜びがあり、その喜びはあなたに満足をもたらす。そのため、あなたは生きることに喜びを求めるようになる。喜びを求めることが生きる目的になる。 


だが、人生には喜びばかりではない。苦しみもある。苦しみばかりの人生なら、そこに生きる価値が見い出せなくなる。もし、人生がそうなったなら、あなたは生きることに絶望してしまうだろう。  


あなたはそうならないように、喜びがいつでも手の中にあるように、日々忙しく頭や身体を働かせる。そして、より豊かに、より安心して、より健康で満たされて生きようとする。 


それは気を抜けない仕事なため、あなたの人生は忙しくなる。あなたはいつも喜びと満足に飢えている。それが当たり前になり、そうであることに何の疑問も抱かなくなる。 


そうして、あなたの人生は終わっていく。あなたの人生の評価はいかに喜びに満ちたものかどうかだ。喜びに満ちていれば成功で、苦悩と絶望の人生は失敗だ。だが、それはあなたの人生の評価にはならない。 


喜びは喜びという感覚であり、苦悩もそうだ。感覚は過ぎ去り、すぐに消えて過去のことになる。これから起こる未来の感覚ですら、必ず過ぎ去るという事実を覆すことはできない。 


あなたはそんな儚い喜びや苦悩という感覚に人生の価値を求めて夢中になっていた。そして、自分自身の中の変わらない真実に目を向けることがなかった。あなたは過ぎ去っていく喜びに執着し、そして未来に起こる苦悩を恐れていただけだった。  


あなたの本当の価値は喜びでもなければ苦悩でもない。そんな感覚を超えている。あなたの本当の価値は、喜びや苦悩という区別ができない完全に統合された存在であることだ。もし、あなたが自分はこの統合された存在だと知ることができれば、喜びも苦悩も受け入れることができ、それに自分の価値を置く必要もなくなる。 


感覚は起こり去っていく。だが、統合された自分という存在は決して消えることがない。消え去ることがないということがその存在の性質なのだ。あなたの人生はこの自分自身の真実を明かすためにある。それができなければ、どんなに喜びに満ちた人生であっても自分の完成にはならない。  


そのために喜びや苦悩を否定することは必要ではない。もちろん感覚を遮断する必要もない。ただ、あなたはそれらを超えた自分自身の存在へと意識を向ける必要があるだけだ。 


あなたは喜びと満足を求めて忙しく人生を生きているが、実際にあなたが人生でやらなければならないことは、この自分自身の真実を見つけることだけだ。実際にあなたは忙しいわけではない。他にやることがないので、喜びや苦悩に巻き込まれて忙しそうにしているだけだ。  


あなたの生きる時間は限られている。もし、この人生で自分を見つけることに失敗しても、再びあなたは誰かとして生まれ変わるだろう。あなたが本当の人生の目的を見失い続けるなら、いつまでも生まれ変わって限られた時間の人生を繰り返していく。  


あなたは人生本来の目的に目覚めなければならない。そうして自分自身の真実に目覚め、あなたを存在へと統合させるのだ。自分を存在に統合する道を完結させることは長い道程だ。ただ目覚めただけでは不完全だ。さらに、あなたは完全に存在へと統合されなければならない。 


そのために人生の時間がある。誰が自分の人生の中心にいるのかを知り、それが喜びや苦悩に代わる自分自身になるまで、地道に統合への過程を進めていくのだ。 


この完全な統合だけが、あなたを喜びと苦悩に埋もれた人生から救ってくれる。そこからあなたは初めて自分が誰だかを知って生きる。そうすれば、たとえあなたが喜びと苦悩に忙しく人生を生きているとしても、あなたの存在は微動だにせず、明瞭さを失うことなく輝き続ける。

 

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけます。それを自分の拠り所にすることで、人はその真実と共に蘇り、新しい自分として生きることを始めていきます。