11:役に立たない真実について


かつてスピリット・ウェイカーは私にこう語った。


あなたの真実はとてもシンプルだ。それは何の意志もなく、何の行為もなく、常にそこに存在し、それはひとつだということだ。これ以外のことがあなたの真実になることはない。


真実はただじっとして動かず、どんなときも沈黙を貫いている。それがあなたの真実だ。だが、あなたはそんな真実を認めることに抵抗がある。それが自分の真実だとして、いったい何の役に立つのか理解できないのだ。


実際にその真実は役に立たたない。もし、それが役に立つのなら、それは自分の真実ではない。そう知らないあなたは役に立つ真実を求める。そして、その真実には触れず、もっと役に立つ自分の真実を探そうとする。


それは愛とか自由とか、そういった役に立ちそうなことだ。あなたはそれが自分自身であるべきだと思う。愛とか自由とかは確かに心地いい言葉だ。それが自分の真実なら、素晴らしい自分になりそうだ。


だが、それを自分の真実に重ね合わせたなら、あなたは苦悩の世界に落とされる。なぜなら、あなたは愛や自由に役に立つよう期待をかけるが、真実は動きがないため、そこには何も起こらないからだ。結局、あなたは期待を裏切られる形になり、そこには苦痛しか残らない。


真実とは絶対に動かない存在だ。その存在はどんな解釈も当てはまらない。どれだけあなたがそれに期待したとしても、役に立たない存在でなければ真実ではないのだ。


それは愛や自由を求めてはいけないということではない。それはあなたの人間性が求めてしまうだろう。それは悪いことではない。ただ、それが絶対的な真実になることはない。真実は愛や自由を超えた絶対的なところに存在する。あなたがそれを認めない限り自分の中で混乱は続いていく。


それを見つけるまで、あなたの人生のは何千回でも繰り返されていく。そして、あなたは役に立つ真実を見つけられるなら、何度でも生まれ変わることさえ厭わないというさらなる混乱の中に埋もれていくのだ。


真実を知っている者は真実は役に立たないと正直に言うだろう。それは不動であり、沈黙であり、見ることはできないが存在し、誰にとっても同じもの、ただそれだけだと。


真実は何の役にも立たないが、それを知らなければ人として完全になることはない。このことは古い時代から賢者たちが語っているが、多くの人々はそのことを理解することができなかった。


そのため自分の真実を知ることができた人は極端に少ない。いまや賢者の貴重な教えはバラバラに分解され、いろいろな言葉で飾られて理解不能になった断片だけになっている。


知識や言葉だけで真実を知ることはできない。いくら瞑想をしても真実に辿り着くことはない。完全な真実を知るためには、知識と瞑想をひとつの方向に向けて、一歩ずつ理解の段階を進んでいく必要がある。


そして、あなたに一番必要なことは、それが役に立たないと知っていても、その真実を求めるという覚悟だ。それがなければ、どんなに立派な賢者でもあなたを真実に導くことはできない。


何の役にも立たない真実など認めたくないという信念が自分自身の絶対的な真実に辿り着けない理由だ。あなたがどれだけ期待しても、絶対的な真実が何も役に立たないことに変わりはない。


ある日、役に立たない真実を求めるという、あなたにしてみれば狂気じみたことに取り組む時が来る。そして、あなたが自分自身の真実を知ったとき、それは役に立たないからこそ真実で有り得るということを知ることになる。 


空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。