10:自分の考えについて

かつてスピリット・ウェイカーは私にこう語った。


あなたは良い考えを持ちたいと思っている。それは良い考えを取り入れて悪い考えを排除し、自分自身の質を高めるためだ。そうして良い考えを持つことはいいことだ。


あなたはそのために何が良いことで、何が悪いことかを分析する。その分析で得た良い考えを基にして行動する。それで良い結果が得られれば満足し、悪い結果なら何が悪かったのかを反省する。そうしてあなたはだんだんと良い人間になっていく。


そうしてあなたは良い人間にはなっていくだろうが、それで良い人間として完成されることはない。あなたは良い考えを持ち、良い行動を積み上げていくが、それには際限がないのだ。


たったひとつの悪い行動ですべてが崩壊することもある。たったひとつの間違いがすべてを悪いことにしてしまい、あなたは簡単に振り出しに戻される。


良いと思っていたことが悪いことだったということもある。悪いことだと知っていても、それに理由をつけて良いことにすることもある。あなたの考えというのは、良くも悪くも柔軟性がある。その柔軟性があなた自身をとてもあやふやなものにしてしまう。


そのため、良い考えを基にして自分自身を構築しようとすると、それはいつまでも終わることがなく、そしてとても不安定なものとなる。


良いかどうかの判断は自分が下すものであり、それは良い考えではなく、良いと判断された考えに過ぎない。あなたはそんな不確かなものを良い考えだとして自分の中に積み上げている。それは不確かだから、あなたの良さはいつまでたっても完成しない。


そして、決定的なことはその良い考えは自分自身にはならないということだ。あなたは自分の考えを自分自身のように感じているが、それは自分自身ではないのだ。


それらは考えに過ぎない。それはあなたが身にまとった服のようなもので、自分自身の核心ではない。それらは自分自身にならないので、いつまでも完成することはない。


あなたが良い考え、悪い考えに囚われている限り、このようにあなたはいつまでも自分自身を見失ったままだ。自分自身を見失ったまま、まるで見当違いの場所で自分自身を求め続ける。


あなたが知るべきことは、何が良い考えで何が悪い考えかではない。その考えがどこから起こるのかということだ。その起こる場所が自分自身の核心だ。


あなたが自分自身の核心を知るとき、あなたは良い考えと悪い考えの根源を知ることになる。その根源は善悪の判断を超えているため、自分自身とは善悪に左右されない存在なのだと知る。


そんな自分自身の核心を知ったとしても、あなたは良い考えを求めるかもしれない。そこに悪い考えも起こるかもしれない。それは思考として心の中に自由に起こる。その中であなたは良い考えを選択していくだろう。


もし、善悪の根源である自分自身を知っているなら、あなたは良い考えによって自分を完成させようとはしない。自分自身はその核心を知ることで既に完成されているのだ。


善なる人を目指す考えや行動によってどんな結果が起ころうとも、あなたの核心はそれに左右されることはない。自分自身でいることは何かに影響されて変化することがない。


あなたは善悪という目先の判断に重要性を置き過ぎている。もっと大事なことは善悪の根源を知ることなのだ。それは自分自身を知ることに他ならない。


あなたを救済するのは良い考えの積み重ねではない。それは自分自身の核心を知ることだ。このことだけが善悪の判断による苦悩から救われる唯一の方法なのだ。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけます。それを自分の拠り所にすることで、人はその真実と共に蘇り、新しい自分として生きることを始めていきます。