正しい質問をすること:瞑想哲学

私たちは世界から押し寄せる情報に溺れて、自分を見失ってしまいました。自分を見失っただけでなく、正しい質問をする力も失いました。私たちが取り戻さなければならないことは、世界に対して正しい質問をすることです。正しい質問の答えを得たとき、私たちは自分を理解し、その後に世界をも理解することができるでしょう。

私たちは世界に向けてどんな質問をしているでしょうか。私たちは、どうすれば幸せになれるか、何が健康を保つ秘訣なのか、お金持ちになるための習慣は何かといったことを世界に質問しています。この質問に対して、世界は適切な答えを与えてくれます。私たちがその回答を知りたいと思えば、世界はどんな形かで答えてくれるものです。


私たちの質問に対して世界が答えてくれるので、私たちは自分が正しい質問をしている気になっていきます。でも、答えが得られることが、必ずしも正しい質問をしているとは限りません。正しい質問とは、自分にとって最も大切な事に関する質問です。もし私たちがひとつだけ世界が質問に答えてくれるとしたら、何と尋ねるでしょうか。


それは宝くじの当選番号でしょうか。それとも未来の恋人の名前でしょうか。それはとても興味のあることですが、世界はもっと根源的なことに答えることができます。それは自分とは誰かということです。私たちは自分とは誰かという質問をしません。そんな質問は時間の無駄だとさえ思っています。


でも、私たちはこの地球に自分とは誰なのかを探すために生まれてきたのです。そのことをすっかり忘れているので、そんな質問さえ心に浮かびません。自分とは誰かよりも、もっと大切なことがこの世界にはあると思っています。世界には心躍る体験があり、感動する物語があります。そんな世界に私たちは夢中になっています。


私たちは人生の中でたくさんの質問を浪費してきました。ときどき、世界から自分とは誰なのか知ろうとしないのですかという逆質問がありますが、ほとんどの場合、私たちはそれを無視しします。それよりも、いまの問題は自分の経済的な問題だったり、心の傷を癒やさなければならないことだったり、空腹のお腹を満たす美味しい食べ物のお店を探さなければならないことだったりします。それは一時的な問題ですが、その時は自分の心を支配する最重要課題なのです。


世界には答えがあふれています。私たちは質問に対するその答えを集めているうちに、だんだんと質問する力を失っていきました。すると質問する前に世界から無数の答えが押し寄せてくるようになりました。私たちはそんな答えに埋もれて、それを整理することで頭が一杯になってきます。そして、ますます何のために生きているのか分からなくなってきます。私たちはそんな状態でただ世界をさまよっています。世界に対して質問をしていた時の感覚の鋭さは失われ、麻痺して鈍くなった感覚だけでふらふらと歩いているのです。


私たちは元々心の中にあった鋭さを取り戻さなければなりません。世界から押し寄せる答えによって、麻痺して鈍くなってしまった私たちは、自分から質問を求める気力さえ失っています。鋭さを取り戻さなければ、無数の答えにあふれる世界の中で方向感覚を失って夢遊病者のようにさまよい続けるだけです。自分から世界の答えを切り捨てていかなければ、私たちは時間に流されて、ただ生きているだけの存在になってしまいます。


瞑想することで、私たちの感覚は鋭さを取り戻していきます。瞑想によって、私たちは世界から押し付けられる答えを切り離すことができます。五感を閉じて、世界から離れていきます。心は静かな場所になり、静かでいればいるほど、私たちの感覚は研ぎ澄まされて、世界に切り込むことができる力を得ていきます。研ぎ澄まされた剣のような感覚は、押し寄せる世界からの答えを切り捨て、そしてその向こうに正しい質問を思い出すのです。


その質問が「自分とは誰なのか」です。これより正しい質問は世界にありません。私たちはこの質問をするために人間としてこの世界に生きてきたのです。そして私たちはこの質問が必要なだけで、自分が大事だと思ってきた他の質問は自分が思うほど大事なことではなかったのです。


私たちが「自分とは誰なのか」と質問すると、世界は感動で震え出します。私たちがこう質問することを世界は待っていました。世界がどれだけ荒れ狂っていても、人類が滅亡するかもしれない1分前だとしても、私たちはこの質問をするべきです。そうすることで、世界は私たちに答えを与えます。それは世界が私たちに一番与えたかった答えです。


その答えは「あなたは世界です」というものです。実際にはこの答えは無言であるため言語化できません。でも、あえて言うならそういうことです。いままで私たちが世界から与えられてきた答えたちはすべて自分でした。それだけでなく、好きなことも嫌いなことも、良いことも悪いことも、心地良ことも不快なことも、世界で起こるそれらはすべて自分たっだのです。


この世界にある答えはたったひとつだけです。この答えはすべての質問の答えになります。このたったひとつの答えを私たちが手に入れたとき、世界が私たちに与える答えはなくなります。もう、それ以上の答えが世界にはありません。私たちも世界に問い掛ける質問がなくなります。世界は静かになります。私たちも静かになります。静かというとろで世界と私たちはひとつになります。静かだけがそこにあります。

空風瞑想

空風瞑想は忘れてしまった本当の自分を取り戻す瞑想法です。瞑想の中で、今まで気が付かなかった心の新しい扉を開き、静寂でありながらも存在に満ち溢れ、完全に目覚めている本当の自分をそこに見つけていきます。そこを自分の拠り所にするとき、新しい自分の人生が始まっていきます。